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■リレーコラム
      〜ヘルスケア・マネジメントにおける諸問題を考える

第14回 医療のモジュール化(2)
秋山 和宏(医療法人財団 松圓会 東葛クリニック病院理事、消化器外科部長)

 機能分化と地域連携という日本の病院の課題を同時に適えるコンセプトは何か? それは「モジュール化」です。


◇モジュール化とは

 モジュールとは「交換可能な構成要素」と言い換えられ、さらにモジュール化は「連携を意識しながら機能を分化していく」ことを意味します。
 産業界ではモジュール化の概念が注目され、その多大な威力が明らかになっています。医療用クリティカルパス(特に患者状態適応型パス)や医療連携パスは医療のモジュール化の具体例ですが、前者には複雑性削減、後者には効率化の効果が認められています。

◇地域完結型医療とは

 ここで、モジュール化のコンセプトで地域完結型医療を考えてみましょう。モジュール化の知見によって、産業界のアーキテクチャ(基本設計思想)が明らかにされました。それには、「クローズド」と「オープン」、「インテグラル(すり合わせ)」と「モジュール(組み合わせ)」という二つの軸で捉えることが提唱されています。
 説明は省略しますが、総合病院などの自己完結型医療は、「クローズド・モジュール」、地域完結型医療は「オープン・モジュール」と表せます。本質を突いた表現であると思います。アーキテクチャの深い意味を知れば知るほど、その的確さを実感できるはずです。

◇「機能分化」、「地域連携」どちらが先か?

 病院における二つの課題として、機能分化と地域連携を挙げました。最後に、どちらを優先的に取り組むべきであるかについて言及しておきます。
 アダム・スミスは『国富論』(一編二章)で、分業が交換の原因なのではなく、交換が分業の原因なのだという意味のことを述べています。この場合、分業は機能分化に、交換(市場)は地域連携に換言できます。すなわち、機能分化より地域連携のほうが重要であるとアダム・スミスは主張していたのです。この指摘は、今後の病院経営を考える上で大変な示唆をもたらすことでしょう。


2009年3月5日
 
秋山 和宏 (あきやま かずひろ)
秋山 和宏(医療法人財団 松圓会 東葛クリニック病院 理事、消化器外科部長)

医療法人財団 松圓会 東葛クリニック病院 理事、消化器外科部長


著書・その他:
医療システムのモジュール化―アーキテクチャの発想による地域医療再生(白桃書房、2008/5)

 

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