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■リレーコラム
      〜ヘルスケア・マネジメントにおける諸問題を考える

第8回 国際化とは国内を見つめ直すこと(2)
岡本 左和子 ( Health Communication Specialist )

 前回は、医療者と患者の認識の違いを克服するために、コミュニケーションが重要な役割を担うことをお話した。まずは同じ基本概念を共有すること、話し手は、相手が何に焦点を当てて聞いているのか思いやれること、そして聞き手は、きちんと自分の理解できたことやできなかったことを話し手に伝えられること、これらを繰り返してコミュニケーションを深めていくことができる。 医療者が共感を示しているつもりと思っていても、患者は、「私のことを少しも理解してくれていない」と思っている可能性は常にあるものだ。

 患者が持つ多面的な思いや要求を積極的に伝えられる環境を作り、患者の期待に添うためには、医療者からの一方的な努力では片手落ちである。医療者は患者が参加できるような環境を作る必要があり、同時に患者が自立できるような環境を医療者が整えることも不可欠になる。


◇Diversion(多様化) から Conversion(転換と収束)へ

 医療の国際化は、時と空間を超えて様々な医療情報を提供し、多種多様な診断や治療方法が多くの患者に希望をもたらしてきた。 より良い医療者と患者の関係についても、欧米からどんどん新しい概念が紹介され、カタカナ医療用語も次々に使われだす。そのため、言葉の定義や概念、どのような環境から生まれてきた考え方なのか、日本には必要なのか、受け入れられるのかなどの点を精選する間もない。 医療現場が抱える問題が増えるほどに、「あれも使えそう」「これもいいかもしれない」「米国ではこういうことも始めているらしい」といった欧米からの情報が飛び交う。

 しかし、外からの考え方を受け入れっぱなしにするのではなく、医療者と患者、国民が言葉の概念を共有した上で、次に一つ一つを見直す必要がある。 何が日本に求められているのか、新しい考え方を取り入れるのか、日本の環境ではどのように転換していくのかなど、吟味をする時間が必要だ。 国際化とは広がりっぱなしではなく、取り入れた情報を丁寧に確認し、自分たちにとって必要なものを必要な形で取り入れる作業が不可欠である。 そして、どこかで適切な形に転換して収束することも大切なのだ。 医療について言えば、それは日本の医療の在り方を見直すことでもある。

 例えば、日本を含めた世界の医療の基本姿勢として定着しつつある「患者中心の医療」という概念だが、その概念の下では、医療が医学的証拠に基づいて計画され、患者に適切に施され、その結果を公平に評価でき、そして患者がその個々の過程を理解、納得して積極的に参加をしていることが確認されなければならない。しかし、この概念をどのように実現していくのかは各国または文化的背景によって異なるだろう。 国際化とは、国境を超えた枠組みで発想しながら、自分の国や文化を、愛情を持って見つめ直し、再び構築するところから始まることだと思う。   

2008年9月11日
 
岡本 左和子 (おかもと さわこ)
岡本左和子( Health Communication Specialist )

1995年より約5年間、米国Johns Hopkins HospitalのInternational Servicesにて日本人およびアジア地区のSenior Patient Representative として勤務。
現在、Health Communication Specialist として学術会議での講演、執筆活動をしている。

著書・その他:
患者第一 最高の治療―患者の権利の守り方 (講談社プラスアルファ新書、2003/10)

 

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