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■リレーコラム
      〜ヘルスケア・マネジメントにおける諸問題を考える

第2回 考え方や姿勢も重要なマネジメント要素
滝童内浩子(財団法人日産厚生会玉川病院看護部長)

 2008年度診療報酬が決定しました。病院看護管理者にとって関心が高いのは、入院基本料における看護の基準と思われますが、「勤務医の負担の軽減」と「後期高齢者医療制度」が今改定の最大の焦点と言われています。 

 入院基本料の10対1を31点引き上げたのは、無理な7対1入院基本料算定を目指した看護師獲得競争に歯止めをかける狙いもあるとのことです。歯止め効果がどの程度あるのかは、今後の状況次第ですが、ますます看護管理者のマネジメントが重要になってきたことは否めません。

 7対1でも10対1でも、平均在院患者数とそれに要する看護師の勤務人員数(実績値)のバランスを常に保たなければなりません。どこの病院もギリギリの看護師数でしょうから、病床利用率を高めようと空床を埋めることだけを考えていると、看護師配置実績が基準値(患者数に要する勤務人員数)を満たせなくなる恐れがあります。

 こういう状況下で入院ニーズに応えていこうとすると、やはり在院日数を短縮し、病床回転率を高めていかざるを得ません。当然ながら一般臨床看護師や看護チームの患者ケアにおけるマネジメントがものを言います。看護管理者の日々のマネジメントは、病床コントロールを含めまさに経営に直結するマネジメントと言えます。

 「勤務医の負担の軽減」については、昨年末に厚労省から「医師および関係職種と事務職員等との間等での役割分担の推進について」が出されました。医師不足のために看護師の業務が増えるという捉え方も一部にあるようです。しかしこれは、医療関係職種を本来の業務に集中させることで、医師や看護師等の負担の軽減を図るものであると理解できます。

 「良質な医療を継続的に提供する」ため、院内それぞれの職種が業務整理・業務改善を進める上で、今回の通知を追い風と捉えるか、はたまた業務のしわ寄せと捉えるか。臨床最前線で働く看護師や看護管理者の考え方や姿勢は、重要なマネジメント要素の一つなのです。

 そうはいうものの、入院患者に占める高齢者の比率は高くなる一方です(当たり前ですが)。ここには医師や看護師等のジレンマや葛藤が、日常的に渦巻いているといっても過言ではありません。これを読まれている医療関係者の方々もきっと同じ気持ちなのではないでしょうか。

 患者・家族の「治る」「どういう状況が退院時(ドキ)か」という概念と、医療者のそれとはズレがあるため、積極的な治療が終了しても、入院継続を熱望される方が多いのではないでしょうか。また介護力がない等、何らかの事情で在宅療養が難しいということもあるでしょう。 そうかといって療養病床は何ヶ月もの待ち状態でにっちもさっちもいかず、そうこうしているうちに入院が長期化してしまうというケースが多いのではないでしょうか。 関係する職種でチームを組み、ベストではなくてもベターを探っていくための退院マネジメントは、今後大いに期待されるところでしょう。

 特に高齢者の終末期医療や最期の時のありようについては、倫理的な葛藤を経験するところです。 私事で恐縮ですが、我が家には全盲になって5年余の16歳の老犬がいます。日中独居状態なので、かれこれ1年、ペットシッターや嫁いだ娘等の力を借りて介護しています。医療を必要とする人間の要介護者と比べたら、月とスッポンだろうと思い、うっかり大変だなどと言えません。特発性前庭障害の発作で2度ほど入院治療を受けました。「もういい年なのだから」「もうここまで生きたのだから」との思いはありましたが、だからといって生きられる命を放棄できませんでした。彼の存在が必要だったのです。

 本人やご家族にとって、それぞれの存在がどれだけ大きなものかに思いを馳せる時、私たち医療者にとって、この種の葛藤や医療者間でのコンフリクトは当然あるもの、必要なもの、と思うのですがいかがでしょうか。


2008年3月11日

 
滝童内 浩子 (たきどううち ひろこ)
滝童内 浩子(財団法人日産厚生会玉川病院看護部長)

財団法人日産厚生会玉川病院看護部長。


 

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