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■リレーコラム テーマ 2. こうすればもっと良くなる!授業実践

第13回 アクション・リサーチのすすめ(2)
佐野正之(松山大学大学院教授)

 前号に引き続き、授業改善の方法について皆さんと一緒に考えます。 私からクイズを出し→それにみなさんから答えてもらい→私の回答を紹介して→ みなさんにさらに考えてもらう、というパターンで進みます。それでは始めましょう。


◆ クイズ−3: アクション・リサーチでは、実態調査後は何をするのでしょうか。

  (a. 問題を定義する b. 解決策を考える c. 工夫を実践する d. 経過を記録する)


 正解はaです。アクション・リサーチの進め方に定説はないのですが、初心者でも次の手順で実施することができます。

 「活気がない」が問題意識だとします。

1) 事前調査
 授業観察、教師の自省、アンケート調査、インタビュー、英語力(理解できる 単語)の調査、生徒の作品や自己評価、授業評価などの結果を参考に 原因を探ります。

2) リサーチ・クエスチョン(RQ)の設定
 事態調査の結果、クラスの人間関係がうまくいっていない、 ALTの話す英語が理解できないのが原因で消極的になっていることが 推量されたとします。 すると、RQは「クラスの人間関係がうまくいかない上に、語彙力が不足で ALTの英語が聞き取れず、消極的になっているクラスで、8割の生徒が 積極的に授業に参加するにはどうしたらよいか」と設定されます。

3) 仮説の設定:対策を講じる
 「活気がない」という事態を解決する上で役立ちそうな対策をいつくか講じ、 それを重視する順序に書き出していきます。たとえば、

  1. 教師は個々の生徒により多くの注意を払い、greetingsや warm-up の 活動に個人的な接触を多くすると同時に、生徒同士のふれあいの場を増やす。
  2. ALTの話す単語は、事前に単語練習を行って聞き取る力をつけると同時に、 ALTにも繰り返しや言い換えや生徒との言葉のやりとりを多くして話すように してもらう。また、担任も積極的にALTに質問する。
  3. 語やALTとの対話が生きる現実的な言語使用の場面を主活動に置く。
  4. 単生徒に自分の主活動でできるようになりたい目標を設定させ、事後に 自己評価をさせ達成状況を把握して、励ましのfeedback を与えるようにする。 という仮説を用意します。

 さしあたり、まず、(1) のクラスの雰囲気作りに専心し、そのために授業時間を できるだけ割きます。当然、教師の授業の振り返りでは(1)を重視し、「成功」と 「失敗」を判断します。クラスの8割―9割の生徒が教師の期待どおりの反応を 見せてくれれば、その対策はクリアしたと考え、次の(2) に全力を傾けます。 もちろん、この段階でも(2) (3) は意識して、可能な限り実現に向けて努力します。

4) 実践と記録
 対策を中心に、それぞれの授業の成否を記録しておきます。特に、クラスの ムードの向上や英語への前向きの姿勢がどのように向上したかに注意して、 変化の様子を記録します。

5) 成果のまとめ 結果をレポートにまとめて、発表します。


 

◎設問:アクション・リサーチの手順をまとめて言えますか?


クイズ-4: ミニ・アクション・リサーチをしてみよう。  解決がやさしそうな問題を選んで、リサーチを計画してみましょう。

  (問題例:挨拶をもっと元気よくするには? 歌の声を大きくするには?など。)


1) 担当クラス:   学年 (人数:男子   名、女子   名)
2) 学校・クラスの様子
3) 改善したい点(現在の状態をどこまで改善したいか。現実的な目標の設定が大切。)
4) 事前調査

  1. 授業観察(改善したい点に絞って2時間ほど観察)
  2. 教師(自分を含めて)の指導の問題点
  3. アンケート調査(改善したい点に絞って)
  4. 児童の自己評価(改善したい点に絞って)
  5. リサーチ・クエスチョン
  6. 対策1
  7. 対策2
  8. 対策3
 

◎設問: 実際にアクション・リサーチを少しでもやってみて、気付いたことは 何ですか。期待した生徒の変化という成果が出なくとも、教師の意識に変化が あれば(何かの気付きがあれば)、それも成功です。どんな結果を生みましたか。


2009年3月25日

 
■ 佐野正之 (さの まさゆき)
佐野 正之
(松山大学大学院教授)

松山大学大学院教授。

著書・その他:
はじめてのアクション・リサーチ―英語の授業を改善するために (大修館書店、2005/07)
アクション・リサーチのすすめ―新しい英語授業研究 (英語教育21世紀叢書) (大修館書店、2000/04)
異文化理解のストラテジー―50の文化的トピックを視点にして (大修館書店、1995/03)
英語劇指導マニュアル (玉川大学出版部、1990/06)

 

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